ZAC2102年4月下旬ガイロス帝国チェピン
ここ、帝国最大の要塞では名のある将校達が虚ろな顔していた。
今月の始めサムダ軍事基地が再起不能と思われるほどの損害を受けた上に、二機のストームソーダーが強奪されたからだ。
「共和国から提供された機体を強奪されるとは……なんと情けのないことか!」
「なぜこの様な無様なことになったのだ!!」
将校たちが次々と不満を口にする。
「それで、強奪した連中は分かったのだろう。」
焦る将校達の中で唯一冷静に口にしたのは第三装甲師団長シャルル・オルレアンだった。
「はい、強奪したのは元アイゼンベック部隊所属のラルフ少佐とミュラー中尉のようです。」
「アイゼンベック・・・確かギュンタープロイツェンが設立した空軍のエリート部隊だったな。もう解散したと聞いたが…」
「はい去年の秋に解散しましたがその際一部の兵士達が行方を眩ましています。
今回ストームソーダーを強奪した二人も消息不明となっていたようでございます。」
「そうか、何か対策をこうじなければな・・・・・・」
そして会議が終わるとオルレアンは司令室を後にした。不適な笑みを浮かべながら。
ZAC2102年4月暗黒大陸ニクスで一つの異変が起ころうとしていた。
ZAC2102年4月下旬、各地で自らを「ネオ・ゼネバス軍」と名乗る集団が連合国に対して攻撃を開始。
同時期、トライトン軍事基地は爆撃を受ける。
『何だ今の攻撃は!?上空からの爆撃か!』
『黒いストームソーダーが基地を攻撃しています。』
『例の奴らか!?』
そう、ラルフ達のストームソーダーが基地を攻撃したのだ。
彼らはサムダ基地での戦闘の後、アルベルト・オングと名乗る人物より、このトライオン基地襲撃の任を受けていた。
『防衛部隊もたいしたことありませんねラルフ少佐、』
『全くだ、ここの連中もたるんでやがる。』
トライトン軍事基地は攻撃を受け、迎撃体制に入っていた。しかし、それは遅いようにも感じれた。
『そろそろです大佐!』
『そうだな、ところでオング中尉はもう出発したのか?』
『えぇ二時間ほど前に、』
『そうか、よし作戦開始!』
しかし、その時、彼らにとって信じれらない報告が耳に入る。
『指令!一部の兵士たちが反乱を起こしました!』
オルレアン率いる反乱を起こした兵士達が指令室を包囲した。
『おとなしくして貰おうか、そうすれば危害は加えん!』
『オルレアン大佐、これは一体、何の真似です!?』
『見ての通りのクーデターというやつだ、おとなしくして貰おうか。』
オルレアンの言うクーデター開始から二時間後基地は完全に、オルレアン達の手に落ちていた。
ZAC2102年4月、帝都ヴァルハラでは緊急の会議が行われていた。
『対策については以上です。』
『共和国との合同作戦ですか、ところでどこの部隊を派遣するのですか?』
『第四装甲師団を、それに共和国からは第八機甲師団からシエン・フォルトニー少佐の部隊を向かわせます陛下。』
『わかりましたホマレフ、兵士たちには宜しく頼みますと伝えておいてください。』
『わかりました』...
四時間前、帝国軍トライトン軍事基地からクーデター軍の要求が帝国に突きつけられた。
要求は現在拘束されている旧ゼネバス系人の解放並びに希望者のみ祖国への亡命というものだった、
当然そなんなことをすればガイロス帝国は大変なことになる、その様な要求が受け入れられる筈もなかった。
しかし基地の兵士達を人質に取っている以上、迂闊に手出しは出来ない。
そこで帝国はある策をこうじた。
まず特殊部隊が基地内部に突入、人質を救出その後後方に待機している装甲師団を向かわせ基地を制圧するというものだった。
これに共和国も参加する事になったのだ。
「私のゴジュラスは整備できているか?」
「はっ!万全であります。」
共和国第8機甲師団所属のシエン・フォルトニー少佐だ。
彼が今回共和国から派遣された部隊の指揮官、共和国でも数少ないゴジュラス乗りの一人、そんな彼が帝国に派遣された。
「少佐、帝国軍の第四装甲師団が到着しました。」
「うむ、そうか、分かった今いく。」
出迎えに出たフォルトニーの前にはダークホーンを中心とした戦闘ゾイド一個大隊が到着していた、「久し振りですな中佐。」
「ああ久しいな少佐。」
そう軽い挨拶を済ますと視界を周囲に回す。
「しかし、壮観ですなぁ、レッドホーンが並ぶと我が軍のディバイソンと比べても引けをとらない。」
「ところで貴官のゴジュラスの調子はあれからどうです?」
「えぇ、いい調子ですよ。そろそろ時間です、では、作戦会議を。」
「おお、そうでしたな、それでは始めましょうか。」
共和国、帝国両軍の指揮官が指令室のあるテントへ向かっていった。
「それでは作戦を説明します、まず工作部隊が基地内に潜入、人質を保護し指令室を制圧します。」
「しかし相手はかなりの人数なんだろう大丈夫なのか?」
「いざとなれば相手のリーダーを拘束すれば手がだせんでしょう。」
「まぁそれでうまく行けばいいのだが。」
ガイロス帝国ニフル湿原共和国野営地、ここでは帝国、共和国合同の作戦が決定していた。
「とりあえず、時間もあまりない。作戦をまとめて行動をおこさんとな。」
「そうだな。」
こうして、全ての作戦会議が終了するのに昼近くまでの時間を有した。
帝国軍トライトン軍事基地
「何故こんな事をしたのです!?今ならまだ間に合いますこんな事はやめてください。」
「それは無理だ、我々には大儀がある!それを裏切ることはできん!!」
オルレアンは人質になっている将校に全てのことを話した。
「そ、そんなことが・・・」
「ああ、そうだ私は、誇りあるゼネバスの人間だ!」
-そう。今日まで帝国に忠誠を誓い。多くの兵士達に信頼され尊敬されていた男。
-彼は滅亡した国の人間であったのだ。
その頃基地外部では帝国軍が仕向けた工作部隊の姿があった。
『ルートヴィッヒ中佐こちらサイドこれより潜入します。』
『よし、了解した。』
そして工作部隊は基地内へと向かっていった。
帝国軍特殊工作師団所属フランシス・サイド少尉、帝国の数少ない潜入工作のプロ、その彼がこの任務に選ばれた。
『与えられた任務は必ず成功させる。失敗したとき、それは自分が死ぬその時だけだ。』
それが彼の信条だった。
そして彼はすぐに人質達が拘束されているホエールキングがある格納庫に続く通風口を発見した。
「このまま戦闘もなく終わってくれればいいんだがな。」
フォルトニーがゴジュラスのコクピットの中で少し不安げに言った。
トライトン軍事基地から数キロ先では合同部隊が万が一の事態に備えていつでも戦闘に入れる状態で待機していた。
そんな中、サイド少尉から人質救出の報が入った。
『我、人質ノ救出ニ成功。コレヨリ帰還シタリ。』
『了解した、これより降伏勧告を行う!こちらは第四装甲師団だ人質は救出した我々も無益な戦いはしたくないおとなしく投降してもらおうか!』
「オルレアン大佐!」
「仕方ない・・・ここはおとなしく」
「フン、奴ら何を抜かす!」
「スコルッツェニー!何をする気だ!?」
「決まってるでしょうが。私は戦います。」
「バカなことを言うな!勝てる訳がなかろう、相手は我々の数倍の戦・・・」
スコルッツェニーは制止の言葉を聞かなかった。
「いくら数で勝ろうが我々は精鋭です。負ける筈などあり得ません。」
スコルッツェニーは自分の愛機へと向かっていった。
『少佐どちらへ?』
『戦闘だ、全機出撃しろ。・・・弟よ、おれは負けんぞ必ず祖国へ帰る。』
次々と出撃していくゼネバス兵達数では劣る。しかしその士気は高かった。
『全軍、恐れる事は祖国の滅亡のみ!ゆくぞ祖国へと帰るために!!』
後書きという名の言い訳
記念すべき二回目である今回、大きく変更したのは・・・特に無し
批判的に見ると台詞が多めなのでごっそり削れば良かったかもしれない。
でも、まぁ、ゼネバス軍がすごいんだな、というのが伝われば良いや(ぇ
なんか自分のキャラも出したいなぁ、とか思った。